電子書籍ファイルの形式

近年、電子書籍がますます社会に浸透してきており、Kindle、KoboやSony、iPadminiといった電子書籍閲覧用端末が次々発売されています。電子書籍を販売するストアが増え、それを読むための端末も増えました。しかし、電子書籍といっても、実はフォーマット(データ形式)は様々な種類が存在しています。電子書籍ストアと閲覧用端末によってサポートしている形式はまちまちです。

つまり、すべての電子書籍があらゆる端末で読めるとは限りません。例えばKindle Fireでは対応しているフォーマットや対応していないものがあり、ユーザーとして悩ましい状況ですね。どんな形式があるのか、各書店の対応形式は何ですか、今日の記事に主な電子書籍ファイルの形式をまとめて、特徴やそれぞれの違い、対応の端末などを簡単に紹介します。

^※Mobipocket：Mobipocketの形式(.prc,.mobi,.azw)、2005年にAmazonが買収、今ではAmazonが使用されています。

AZW/Mobi、Topaz(Kindle)

AmazonのKindleは2つの専用電子書籍フォーマットに対応しています。一つがAZW、もう一つがTopaz。Kindle2からPDFをサポートしていますが、Amazonで販売している電子書籍タイトルはAZWかTopazのいずれかとなっています。

Mobi

MobiはAmazonが2005年に回収したMobipocket社が開発したフォーマットです。現在のMobi形式、多くのはDRMフリーで、Kindleデバイス以外のiPadやNexus7などの端末ではKindle無料アプリをインストールすることで、Mobi形式の書籍も閲覧できます。

AZW

AZWはMobiにDRMをかけた形式です。これはAmazonの独自規格です。AmazonはMobiをベースとして独自のDRMスキームを追加します。パソコンにKindleデスクトップアプリを経由で購入してダウンロードしたKindle本を同期する場合、同期された書籍は通常azw形式で保存し、DRMで保護されています。

(ご注意：今まで日本国内のAmazonはKindleデスクトップアプリが公開していません。)

AZW3

AZW3はAZWのバリエーションであり、またKF8形式として知られています。始めにAZW3は最初にKindle Fireタブレット上でサポートされているだけですが、後に第四世代のKindleまでに拡大します。AZWとMobiに比べて、AZW3はより多くのスタイル、フォントとレイアウトをサポートします。

Kindle PaperwhiteでダウンロードしたAZW3書籍からDRMを解除したい場合、azw3書籍DRMを解除する方法までご参考してください。

PRC

PRCはKindle for Androidアプリで同期されたKindleファイルの形式です。DRM無しのprcファイルはMobiとほぼ同じですが、DRMかけた時には物事は異なります。

Topaz

TopazはMobiより後に採用された形式です。フォントの埋め込みをサポートします。ファイルサイズがMobiに比べて大きくなり、表示に時間が掛かる傾向があります。実は、一般、TopazファイルはDRMフリーです。DRMかけたTopazはTPZ或いはAZW1に変更します。KindleのWhispersync経由で同期されている場合、TopazはAZW1になります。直接にウェブサイトからダウンロードする場合、TopazはTPZになります。

PDF

PDFはAdobeシステムから開発したファイル形式です。元となる原稿のイメージを忠実に再現することを目的としているため、よく資料の配布と印刷形式として使われることが多いファイル形式です。

PDFは端末や画面のサイズに合わせて文字のサイズだけを大きくしたりすることはできないので、PCやiPad、タブレットなど大きな画面で見るのが一番おすすめです。しかし逆に言えば、PDFにはレイアウトをくずせないという大きな弱点もあります。そのため、スマートフォン等の小型端末で長文を読む用途には不向きとされています。

EPUB

ePubは電子書籍関連企業で構成される米国の標準化団体IDPFが普及を進めている電子書籍の形式です。文字の大きさや配列を、端末や画面の大きさに合わせて自動的に調整できる、いわゆるリフロー型（流動型）のフォーマットです。グローバルスタンダードの電子書籍形式なので、AppleのiPad、iPhone、Barnes & Noble（Nook）、GoogleのPlay Books、ソニー（Reader）、Adobe Systemsなど多数の企業が対応していることもあります。

PDFが電子書籍の中身をそのまま画像のように取り込んでいるのに対して、EPUBは書籍の中身をテキストとして取り込んでいます。文字サイズの調整もでき、スマートフォンでも快適によむことができます。

特徴としては，オープンフォーマットであること，XML/XHTMLをベースにCSSでレイアウトを行うことが挙げられます。現在普及しているバージョンはEPUB2とEPUB3の二種類があるが、2011年から導入されたEPUB3はHTML5の機能が多く採用されており、縦書きにも対応するようになっています。

参加企業：Apple、Google、Microsoft、Nokia、Sony、Amazon、Kobo、Adobe Systems

補足：EPUBをPDFに変換することも可能です。

ACSM

ACSMもAdobeシステムのファイル形式です。デジタル著作権管理（DRM）によって保護されているファイルフォーマットであり、電子書籍の不正コピーや悪用ができないようになっています。Google PlayとKoboではこのファイル形式がよく使われています。ACSMは書籍本体ではなく、Adobeご指定のAdobe Digital Editionsから書籍のダウンロード用リンクを開け、epub/pdfに変換することができます。詳細なのはacsmを開く方法という記事をご覧でください。

XMDF

XMDFはGALAPAGOSストアの運営で知られ、シャープによって開発した形式です。小説・実用書など、文字中心の電子書籍に多く採用されています。国内では普及率の高いファイル形式で、縦書きや字下げなど、日本独自の原稿を再現するのに向いていると言われています。

小説などの文芸書、コミックで豊富な採用実績を持つことも、XMDFの特徴のひとつ。

「.zbf」という拡張子のXMDFはソニーのReaderにも対応します。

参加企業：SHARP、GALAPAGOS、電子書店パピレス、電子文庫パブリなど。

.book

.bookはボイジャーが開発した商業出版向け、日本で広く利用されている電子書籍フォーマットのひとつです。

電子書籍ストアのBookliveのコンテンツの多くが.book形式で配信されています。

ちなみに、.bookと「TTZ」は配布用フォーマットに位置付けられます。.bookがウェブブラウザーでの閲覧に対応する以外、フォーマット自体の差はないが、基本的には.bookが出版社向けでTTZが個人出版向けとされ、.bookを制作するためにはボイジャーとのライセンス契約が必要となります。

RTF

文書ファイル形式の一つで、Microsoftにより開発され、パソコン上で利用されているフォーマットです。

主に文字データだけで構成された文書となっています。

電子書籍形式を変換

電子書籍形式は様々存在していますが、主なフォーマットは上記にもう紹介しました。

各書店の電子書籍は形式によって、読める端末も異なりますが、電子書籍を読む場合：

タブレットPCを使っている場合、電子書籍ストアが提供している無料の「アプリ」を使ってファイルを購読することができるようになります。例えば、iPadでKindleアプリ、Koboアプリ。

電子書籍専用リーダーを使っている場合、アプリがインストールできないため、このストア内の書籍しか購読できません。例えばKindle PaperwhiteでKindleストアの本、Kobo miniでKobo電子ブックストアの書籍。

複数のアプリをインストールしたくない？限定されている電子ペーパーではほかのストアのファイルも閲覧したい？ご心配なく、ここで究極変換というツールをお勧めです。KindleとAdobeのDRMを解除でき、形式を変換することもサポートします。

サポートする形式：azw3、azw、prc、topaz、tpz、mobi、epub、pdfなど

出力形式：epub、pdf、mobi

このツールを使用することで、Kindle本をKoboで、Kobo本をKindleで、KindleでGoogle本を閲覧することもできるようになります。